00/12/16 都営大江戸線全通
 
 平成12年12月12日都営12号線こと、都営大江戸線が開通した。
 筆者は、都営大江戸線にはまだ乗車していないが、いつも打ち合わせへの移動で使う区間の営団→都営地下鉄の連絡乗車券が安くなっていたので驚いてしまった。月曜日には春日で打ち合わせがあるので、乗るべきか乗らざるべきか、さながらハムレットの心境なのだが、どう考えても従来のルートの方が時間的にも運賃的にも有利そうなのでおそらく乗らないんじゃないかと思う。
 さて、そんな利用率の上がらなそうな、都営大江戸線だが、見逃せない点はこの地下鉄には実に数多くの最新工法が使われてされているということだ。
 まず、電車がリニアモータ式で動くということ。これにより、電車の車高を下げトンネルの大きさを小さくする効果と急勾配を登坂できる効果が期待できる。勿論浮上式ではないので浮上はしないし、500km/hでは走れないが、実はリニアモータの最も有効な活用法ではないだろうか。
 トンネルでも最新のシールド工法などの技術が数多く使われている。シールド工法とはトンネル径大の掘削機で地中を掘り進み、その機械の中でトンネルの壁面となるコンクリートピース(セグメントと呼ばれる)を組み立ててトンネルを作り上げてゆく工法の事で、多くの地下鉄などで使われている工法である。この工法は従来、円形の断面を掘る事に適していたが逆にトンネル幅を広げる必要のある駅部は苦手としていて、そこでは地上から施工する必要があった。しかし大江戸線の場合は既にある地下鉄の下にさらに駅を作る必要がある、そこで円形を3つ横(六本木駅では縦?)に並べた形でいっぺんに掘る3連マルチシールド工法(MF工法)が六本木駅や飯田橋駅では用いられている。
 月島−勝どき間では、シールド工法で組み立てるコンクリートピースを六角形にして組み立てるハニカムセグメントなる工法が用いられている。つまり、この工法で施工すると完成したトンネルの壁面が蜂の巣状の六角形の組み合わせになるのです。こうする事で掘り進みながらコンクリートピースを組み立てる事が出来るようになり、結果的にトンネルが早く完成するのです(従来方法ではコンクリートピースを組み立てる時には、掘るのをやめる必要があった)。
 汐留駅(築地市場−大門間)では、その上を走るゆりかもめと一体の構造物となっている。つまりは、ゆりかもめの橋脚がそのまま地下鉄の中柱に繋がっているのだ。これは狭いスペースにそれぞれ別個に基礎を設ける必要がなくなる利点がある。この工法は来年早々に開業する名古屋ガイドウエイバス(大曽根−砂田橋間)でも用いられている。
 他にも挙げれば数限りないと思う。その昔、技術者は競って隅田川に様々な形式の橋を架けた。現代は技術者が競って大江戸に様々な形式のトンネルを繋いだ。筆者は都営大江戸線は地下の隅田川観光汽船になりうるのではないかと考えている(じみだけど)。
 (やっぱ、色キチ&h3f3fとしては路線図は貼りたいよね。)
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