00/12/26 それはひっそりと廃止になった
 
 都営大江戸線の開通に伴って大規模な都営バスの再編整備が行われました。山手線内のほぼ100%の地域が鉄道駅から徒歩10分の距離に入るようになった事がその理由です。これによって目黒区や渋谷区には都営バスの大きな空白地帯が出来ることになり、廃止反対の住民運動まで起こされたのですが、実際には大きな混乱もなく廃止されています。因みに廃止になった系統は黒10、茶81、田70、秋76、四80、水59、東17系統の各系統です。その他に、路線短縮が7系統もあって、その改廃規模はかなりの規模です。詳細については東京都交通局のホームページにある「大江戸線等開業に伴う都営バス路線の再編整備について」を御参照下さい。fune31.jpg
 さて、この改廃とは別に’00年12月14日付でひっそりと廃止になった系統があるのです。それが、小岩−一之江駅−船堀駅を結んでいた船31系統(右図、参照)です。この系統は’99年12月15日、次のようなキャッチコピーで運行開始されています。「(環七を通って、12月15日より)小岩・船堀間が便利になりました!☆一年間の実験運行です。ぜひご利用下さい。」
 筆者はこの実験運行を見た時、『これは本当に1年限りだな。廃止前に絶対に乗っておかなくては』と思っていたのです。ところが、その約1年後にあたる先日の「大江戸線等開業に伴う都営バス路線の再編整備について」を見た時、本当に意外な気持ちでこれを眺めていたのです。『この系統はなんで存続したのだろう?』と、しかし現実は違っていたのです。
 ご承知のように、今日の各地方自治体は巨額の財政赤字に苦しんでいます。しかし、その解消への改革はまだ始まったばかりです。日本のこれまでの行政改革は目立つところだけ切る、そして本質は何もしない。なぜなら、それが既得権益だからという理由で突き進んで来ているように、素人目には感じられます。特に、既存の担当局の予算配分の減少に繋がる部分にはその傾向が強いのではないでしょうか。交通局では、バス路線の廃止などは、担当者の痛みの伴わない改革の最たるものなのでしょうか?
 今回の路線改廃の成否は、筆者には正直言って判断できません。問題は、今後今回の改廃に端を発した、市民の利益にならない『改革』が横行することのないように願いたいものです。しかし、筆者の結論は別のところにあります。
 『早く、東98系統(東京駅南口−等々力)に全線通しで乗っておこっと』
 
東京都交通局(その詳細):http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/topics/topics01-82.htm
 
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